「周りが、暗くなってきたね」
イナゴのイナコちゃんが言った。
「そうだね。
大分、遊んだー。
もうそろそろ解散。
イナコちゃん、セイ君、また明日ね」
僕と同じショウリョウバッタのレイちゃんが言った。
その2匹の言葉に、僕はうなずき、
「じゃあね。
朝の同じ時間に、この場所で集合で良いかな?」
と、聞いた。
イナコちゃんも、レイちゃんも、にこやかにうなずいた。
そして、前脚を僕に振った後、
背を向け、去っていった。
この場に、僕だけが残る。
今日は、楽しい一日だった。
跳びあって遊んだ。
以前と比べ高くなったと、ジャンプ力を互いに褒めあった。
僕らは、みんな、生まれて1ヵ月ほどの成長著しい子供なのだ。
また、草の上で鬼ごっこをした。
僕は脚を滑らしてしまい、イナコちゃんに捕まった。
イナコちゃんも、レイちゃんも素早いからな。
明日は、もうちょっと頑張りたいな。
…日が大分落ちた。
もうすぐ夜だ。
休もうかな。
ピョン。
僕は飛び跳ね、近くにあった草の葉につかまった。