眠ってから、
数時間が経った頃―
ボォォォ!
轟音で目が覚めた。
何だ…、この音は。
僕は、周囲を見回した。
僕がつかまっている葉も、周りの植物も、激しく揺れている。
風が、強くなったのだ。
凄く強い風だ。
数日前にも、僕は強い風を経験している。
しかし、その時よりも数段、強い風だ。
あの時は、葉が上下に大きく揺れ動くレベルだった。
この風は、草を根元から、激しく揺らすレベルだ。
だ、駄目だ!
振り落とされそうだ!
でも、こらえなきゃ。
脚を葉から離したら、どこまでも遠く飛ばされそうだ。
危険だよ。
僕は必死になって、葉を抱きしめた。
ずっと、この風が吹くわけじゃないんだ。
しばらくの辛抱さ。
そう思った時だ。
ボォォォォ!
今までを凌駕する、風が吹いた。
ぐっ!
脚が外れかかるが、なんとか、こらえる。
しかし、この風は、あまりにも強すぎた。
僕がベッドとした、この葉を…茎から切り離す程に、強かったのだ。
僕は、葉とともに、空中を舞った。