葉が僕を連れたまま、凄い勢いで夜空をすべっていく。
地面に落ちる気配がない。
それどころか、上昇傾向になっている。
これは…、怖いよ。
僕は体を震わした。
…でも、
しばらく飛んでみると…、
怖いだけではないようだ。
鳥や、人が使う空飛ぶ乗り物にでも、なったように思えてくる。
高揚感が…ある、よ。
…悠長に、そんなことを思っている場合ではなかった。
元いた場所から、ドンドン離れていく。
どうすれば良いのだろう。
葉が自然に地面に降りるまで、待つか。
僕は下を見た。
大分、高く飛んでいる…。
駄目だ。
待ってはいられないよ。
ここまで高く飛んでいると、いつまで経っても地面に降りないように思える。
このままでは、対岸や、河川敷の外に行ってしまう。
この草地に戻れなくなってしまう。
…よし。
葉から脚を離し、降下することにしよう。
大分、高くて怖いが…、
僕は体が軽い。
高い所から落ちても、大したダメージにはならないのだ。
勇気を持って、降下だ。
僕は、葉から脚を離そうとした。
その時だ。
ボォォォ!
横から強く風が吹きつけた。