この位置は、ヤバい…よ。
水面から、少し浮いているだけなのだ。
あのフナなら…、届きそうな高さに思える。
凄いスピードで泳げるのだ。
その勢いを利用して、水面から跳び上がることも、
不可能ではないのではなかろうか。
「落ちなかったか。
ちっ。
しかし、チャンスだ。
良い感じに枝が傾いてくれた。
俺の獲物が、水面近くに…来た。
勢いをつければ、届く高さだ。
俺の限界速度まで加速してジャンプし、
華麗に捕まえてやるよ!」
フナはそう言うと、川底に向かって泳ぎだした。
やはり、ヤバい位置だった…。
早く、この小枝から移動しないと!
大枝の上に急ぐんだ!
僕は小枝をつたって動きだした。
大した距離はない。
ほんの5cm程だ。
これなら間に合う―
ピィィィン。
僕の触角が、感じている…。
危険を!
川底まで潜ったフナが、反転し、こちらに凄い勢いで上がってきている!