フナがとんでもないことを言った…よ。
ジャンプして、直接、僕に頭突きを…。
とてつもなく、ヤバいよ!
回避が難しく思える!
先程とは、訳が違うのだ。
地球の引力が、フナのジャンプ速度を落としてくれた。
今度は、それがない。
フナがトップスピードを、ほとんど維持した状態で、ぶつかってくる。
かなり鋭い頭突きになる。
とても避け切れないよ!
「いくぞぉぉぉ!
ショウリョウバッタ!」
グゥゥゥン!
フナが、来る。
凄まじく、加速しながら!
どうする、僕!
小枝に、のぼって、やりすごすか。
…駄目だ!
あのフナは高いジャンプ力を持っているのだ。
先程は、水面から5cm以上、跳び上がっていた。
余裕で届いてしまいそうだ。
グゥゥゥン!
ひれの音!
フナが、近づいて来ている!
とりあえず、
小枝の後ろに隠れよう。
直接頭突きされるのを避けることが出来る。
僕は、急いで小枝の後ろに移動した。
しかし、あの巨体が、小枝にぶつかってくるのだ。
小枝、そして、僕は、その衝撃に耐えられるだろうか。
ブルル…。
僕は体を震わせた。
ふっ飛ばされそうだよ!