強風で荒れている、夜の川だ。
川の中は、暗くて、にごっていた。
よく見えないよ!
でも、触角が感知した、この迫ってくる感じは、危険に思える。
荒々しさを持っている…。
目を凝らして、よく見るんだ。
そうしないと、駄目な感じがしてくる。
それがいるのは、川岸近く…、上流。
その…川底、だ。
僕は、それがいると思われる地点を、じっとにらんだ。
キラ。
きらめくものが見えた。
夜空の月の光を反射しながら…、こちらに向かってくる。
輪郭が…はっきりと見えた。
分かった。
迫ってくるものの正体が!
フナだ!