川に流され、船に体が近付いていく。
後少しで、接触する。
川の流れが…速い。
凄い勢いで、ぶつかるよ！
弾かれてしまわないよう、
うまく船に、はりつくぞ！
後、20cm。
10cm―
ジャンプだ！
バシャ！
僕は水面を蹴り、跳び上がった。
視界いっぱいに、船の側面が迫ってくる。
脚よ！
しっかり船に引っかかってくれ！
ガッ！
よ…し。
はりつくことが出来た。
しかし、
今にも脚が外れそうだ。
波で大きく揺れている。
水がかかり、滑りやすくなっている。
そして、
厳しく、角度がついているのだ。
少しでも脚の力がゆるんだら、背中から水面に落下してしまうよ！
6本の脚全てに神経を集中させて、のぼっていく…ぞ。
