フナは体を反転させると、上流に向かって泳ぎだした。
3m先で、こちらに向き直る。
その位置から突進をかけるというのか。
ブルル。
僕は体を震わせた。
先程よりも、離れた位置からの突進…。
数倍凄い衝撃になるよ!
「行くぞ!
おぉぉぉ!」
ビシャン!
フナが、水しぶきを上げ、突進を開始した。
どんどん加速していく。
グゥゥゥン!
フナのひれが、うなる音―
先程の速度を…、
超えた!
とてつもない威力になるよ!
しっかりつかまっておかないと、弾き飛ばされる!
ギュ!
僕は、枝に強くしがみついた。
後、10cm―
衝撃が、来る!
ドォォォン!
フナの頭突きが、枝を襲った。
わぁぁぁ!
枝が大きく傾く!
凄い揺れだ!
小枝から、脚が離れそうだ!
しっかりつかまるんだ、僕!
ザァパァァァン。
ザァパァン。
ザパン…。
揺れが…、
おさまってきた。
なんとか…、
持ちこたえられた。
でも、大変なことに、なってしまった。
枝が傾いたままだよ!