ビュン!
跳び上がってくるフナの頭を蹴った衝撃で、
僕の体が空に向かって、凄い勢いで打ち上げられる。
体長20cmのフナと、3cmの僕との質量差は、圧倒的だ。
蹴った時に、後ろ脚にかかった力は、
体全体がしびれてしまう程のとんでもないものであった。
でも、体はちゃんと動かせそうだ。
蹴った時、フナの上がってくる勢いが、落ちていた。
接触したのが、高い位置で良かったよ。
バシャン!
フナが水面に落ちた。
そのすぐ後、上昇していた僕の体が止まり、落下を始めた。
眼下に見えるのは、大枝。
成功…したよ。
フナの頭を、蹴ることに。
蹴るタイミング、位置、角度を誤らずに、蹴ることが出来た。
口にかまれることも、
遠くに弾き飛ばされることも、避けられた。
戻ることが出来たよ。
枝の上に!
タッ。
僕の体が、大枝の上に着地した。