着地して、すぐ、
ボォォォ!
突風が起こった。
僕は飛ばされないよう、体勢を低くし、地面にしがみついた。
ボォォォ、ボォォォ!
ひときわ、強い突風…だ!
頭上のロープが、
激しく揺れている!
もし、まだロープの上だったら、どうなっていただろうか。
ブルル…。
僕は体を震わせた。
ヒュゥゥゥ…。
風が弱まってきた。
今のうちに、川の近くから離れよう。
どこに行くか…。
僕は周囲を見回した。
…良さそうな場所があった。
この堤防の上の方で、草が密集して生えている。
あそこなら、風から身を守れそうだ。
僕は、その場所に向かって進み出した。
目の前の段差をよじのぼって、
坂をのぼり始めた。
急な坂…だ。
疲れた脚には、きつい…よ。
でも、後少し。
力を振り絞って、のぼるよ。
僕は体をフラフラとさせながらも、脚を止めずに、動かし続け、
確実に歩を進めていった。
よ…し、着いた。
草の前に。
休む…ぞ。
ガジ、ガジ。
僕は草をかじって、少しお腹を満たした後、
ガサ。
草の上に倒れ込み、眠った。