ヒュゥゥゥ!
コンクリートの地面に向かって、
背中から落ちていくよ!
地面に…、
衝突する!
ドサ。
うわぁ!
背中に衝撃が!
僕の体は軽いので、それほどダメージはなかったけど、
背中から落ちたから、怖かったよ。
体が仰向けになってしまった。
早く体勢を戻さないと。
ん!
僕は体をひねり、
起き上がった。
そして、壁に目を向ける。
この壁をのぼって、上から行こうと思っていたのに、
失敗してしまったよ。
のぼるのが難しい傾斜がついていた。
この壁をのぼるのは、無理かな。
どうしよう。
先に進んで、階段の横をのぼろうか。
そっとのぼれば、気付かれず、上まで行けるかもしれない。
でも階段の裏にいる何かと、凄く接近することになるのだ。
危ないよ。
やはり、この壁をのぼろう。
さっきは失敗したが、うまく脚を引っかければ、
不可能ではないように思える。
僕は壁に向かって、一歩踏み出した。
その時、
「おっ!
ショウリョウバッタがいるぜ!
音がしたと思って、確かめたら!」
階段の方から、声が響いた。