アカテガニは、凄い勢いで階段の横を下ると、
ガサ!
草のしげる地面に到達、
ガサ、ガサ、ガサ!
草のこすれる音を激しく響かせて進み、
ガサ!
その中から跳び出て、
横歩きで、こちらとの距離をぐんぐんと縮めてきた。
速い!
距離があったのに、どんどんとせばまっていく。
ヤバいアカテガニに出会ってしまったよ。
この堤防で長く暮らしている、熟練のアカテガニなのだ。
かなり動きが良い感じだよ。
接近されたら、簡単に、はさまれてしまいそうだ。
うまく避けて、逃げないと!
あのカニの大きさは、3cm程。
僕と同じくらいの体の大きさだ。
接触する少し前に、思い切りジャンプすれば、上を跳び越せるかもしれない。
跳び越せれたら、そのままの勢いで階段の方に向かい、
上がって、堤防の外へと出よう。
あのアカテガニは、この堤防をすみかとしているのだ。
離れたくないと思い、
追うのをあきらめてくれるかもしれない。