アカテガニを跳び越せるよう、
強く跳ねるぞ!
僕は、しっかり跳ねられるよう後ろ脚を構えた。
アカテガニが、
大分こちらとの距離を縮めてきている。
数秒後に、
接触する。
跳ねるのに失敗したら、ハサミに、はさまれてしまう。
しっかり集中して、良いタイミングで跳ねる…ぞ。
アカテガニとの距離…、
5m。
4m。
3m。
ジャンプ、準備だ!
僕は跳ねようと、後ろ脚に力を込めた。
「ショウリョウバッタ!
俺の横歩きの、
凄まじさを見せつけてやるよ!」
跳ねようと準備した僕に、アカテガニが言った。
…?
どういうことだ?
横歩きを…どうするというのだ?
…いけない。
アカテガニは、もう目前。
集中だ。
2m。
1m。
50cm…25cm。
ここで…ジャンプだ!
「これが、俺の横歩きだぁぁぁ!」
ダダダ!
僕が跳ねようとした時、
アカテガニが横歩きを、
急激に加速させた。