「枝の上に乗れたからといって、俺から逃げ切れたと思うなよ!
頭突きで、落としてくれるわ!」
フナが言い、
ドォン!
枝に頭からぶつかった。
うわぁぁぁ!
凄い衝撃だ!
枝が揺れる!
脚が枝から離れそうだ!
離したら、いけないよ。
また、水面に逆戻りだ!
僕は枝から離れかかった脚に力を込め、耐える。
枝の揺れが…おさまってきた。
なんとか、持ちこたえられた。
「耐えたか。
だが、俺の頭突きはこの程度では終わらないんだよ。
俺は、日々の戦闘を有利にしたいと考え、頭を鍛えている。
毎日、数時間、石に頭突きをしているのさ。
鳥から襲われること、他の魚とエサの奪いあいになることを想定してね。
お前が水面に落ちるまで、頭突きをし続けてやるよ!」