お腹が…、満たされたよ。
しばらく休んだ後、出発だ。
僕は草の上で体を休ませた。
周囲を見渡す。
昨日、荒れていた川は、今は、落ち着いているようだ。
風が穏やかで、波がそれほど、たっていない。
僕が乗った、あの時の船は、
今も、ロープで岸につながれていた。
海に出航したら、どうしようかと思い、
強い風の中、綱渡りをしたが、その必要はなかったようだ。
い…や。
待てよ。
僕が寝ている間に、出航し、戻ったということも、ありえる。
乗ったままだったら、荒波で、海に放り出されていたかもしれない。
それを思うと、頑張って渡った甲斐があった。
安心感のある草の中で、寝ることも出来たのだ。
脚も鍛えられた。
限界ギリギリの力で、ロープにつかまって、移動したのだ。
僕の脚の力の上限が高まった。
それは、故郷の草地に無事辿り着くために、必要に思える。
決して、無駄ではなかったよ。
よ…し。
体が良い感じになった。
行くぞ。