危なかったよ。
アカテガニが、いきなり横歩きを加速させるとは。
かなり速い横歩きだった。
寸前で跳び越えて、一気に堤防の外まで逃げようと思っていたが、
避けるので精一杯だった。
ザッ。
今、アカテガニが…、
僕から少し離れた位置で止まった。
あまりにも激しい横歩きであったために、
土煙が上がっている。
厳しい距離間に思える…よ。
堤防の外に出るには階段を使う必要があるが…、
その階段は、大分、先にあるのだ。
着くまでの間、激しい横歩きで追いかけられる…。
生半可なスピードでは、つかまりそうだ。
強くジャンプを繰り返して、
高速移動を試みる!
ダッ!
僕は階段に向かって、勢いよく跳ねた。