アカテガニが、ヤバいことを言ったよ！
これ以上、横歩きが速くなるというのか。
いきなり加速されたら、避けるタイミングを誤って、
攻撃を食らってしまうよ！
アカテガニの動きに注意が必要だ。
僕の触角よ。
集中せよ！
ピィィィン。
僕は跳びながら、触角を研ぎ澄ました。
ダダダ！
アカテガニの脚が地面を蹴る音…。
今はまだ、先程までと変わらない。
横歩きの速度を特別、変えていないようだ。
距離が変わらぬペースで縮まっている。
直前になって、加速する気だな！
それを見越して、早目に回避だ！
アカテガニとの距離、
残り、十数cm。
ここで…、
ジャンプだ！
ダッ！
僕は左斜め前に大きくジャンプした。
体が思った通りの軌道で宙を舞う。
ジャンプ、成功だ。
これで、アカテガニの横歩き攻撃を回避出来た。
アカテガニは前と後ろに動けないのだ。
僕はアカテガニの進路上から大きく外れた。
アカテガニは進路修正のために、動きを止めざるえない。
その間に、階段の上に乗ってしまうぞ！
…ダ、ダ、ダダダ！
…？
僕に近付く…音がする。
この音は…、
ま、まさか…、
アカテガニの…駆ける音！
そ、そんな！
アカテガニが動きを止めていない！
大きく回避したはずなのに…、
僕に向かって来ているよ！
