イ、イナコちゃんは、かなりすぐ近くまできている!
急いで他の葉に跳び移らないと―
僕は素早く体を左に向けた。
目の前に生えているのは―
幅の狭い葉と…、
気持ち小さめの葉を持つ草だった。
さ…さっき右の方で見た草の葉と、それほど変わらないよ!
このくらいの葉の大きさだと、うまく跳び乗れるか…。
ガサッ!
僕のすぐ後ろで、草の揺れる音がした。
ヤ、ヤバイよ!
もうイナコちゃんは、僕のすぐ後ろだ!
跳び移れるか不安があり、
他のちょうど良さそうな葉を探したいけど、
そんなことをしている余裕なんてない距離感だよ!
思い切って跳ぶんだ、僕よ!
ダッ!
僕は勢いよく目の前の小さめの葉に向かって跳んだ。
ザッ!
葉の上に僕の体が乗り―
跳び乗った勢いで、大きく傾いた。
脚がすべり、体が後ろに倒れそうになる。
僕は慌てて葉につかまろうとするが―
間に合わず、
葉の上から転がり落ちた。
う…うまく葉の上に跳び乗れなかった…。
体が地面に向かって、落ちていくよ!