「セイ君、今から一緒に遊ぼうよ」
草に登って辺りを眺めていた時、下から呼びかけられた。
見下ろすと、ショウリョウバッタのレイちゃんがいた。
その右隣にはイナゴのイナコちゃんの姿もあった。
2匹とは大の仲良しだ。
僕がこの草地で生まれてから1ヵ月、彼女達と楽しく飛び跳ねて暮らしてきた。
僕は今日も彼女達と楽しく遊びたいと思ってうなずき、
葉の上から跳んで降りた。
彼女達の少し前に着地する。
「何をして遊ぶ?」
レイちゃんが僕とイナコちゃんに聞いた。
「飛び跳ねて遊ぼうよ!」
イナコちゃんが明るい声で答えた。
僕とレイちゃんが首を縦に振ってうなずいた。
「賛成だよ!
飛び跳ねて遊ぼう」
「うん、そうしよう。
どういう風に飛び跳ねようかな…。
―よし、
この場でみんなで一斉に真上に高く飛び跳ねようよ!」
レイちゃんの言葉に、
「了解したよ!」
「うまく飛び跳ねることが出来るかな…」
僕とイナコちゃんはうなずいて姿勢を低くし、飛び跳ねる準備をした。