階段に大分近付いた。
後もう少しで、辿り着けるぞ。
ダッ!
僕は前に大きく跳んだ。
「俺の横歩き攻撃を、
再三にわたり避けるとは。
やるな、ショウリョウバッタ。
しかし、ここまでだ。
俺の横歩きの本領を見せてやるよ!」
言いながら体の向きを変えて、アカテガニが横歩きを始める。
ダダダ!
速いペースで追いかけてくる。
階段に着くまでに、確実に、追いつかれそうだ!
追いつかれる前に、出来るだけ進んでおきたい。
そうすれば、次の回避で最後になる。
階段まで残りわずかになるのだ。
高速でジャンプを繰り返していくぞ!
ダッ、ダッ、ダッ!
幾分、速いペースだ。
ダダダ!
しかし、アカテガニも速いペースを維持している。
残り数秒で接触だ。
でも、少しはタイミングを遅らせることが出来た。
追いつかれた時、ちゃんと回避出来れば、
堤防からの脱出成功も見えてくるよ!
僕がそう考えた時、
「ショウリョウバッタ!
俺の横歩きの鋭さに、
驚くがいい!」
アカテガニが後ろから叫んだ。