ゲンが跳んで入っていった茂みを、
3匹は、気の抜けた表情になって見つめた。
しばし、そうした後…、
シイが振り返り、
「セイさん…。
すいません。
薬草を食べてもらおうと思っていたのに…」
僕に謝った。
僕は首を横に振り、
「しょうがないよ。
薬草があんな状態では」
言って後ろを向き、薬草を眺め、
「葉の9割ほどが消えている。
これ以上食べたら、薬草がヤバいことになる…よ」
と、言葉を続けた。
ラーナが僕の右横に歩いて近づく。
「セイさんに薬草…、食べて欲しかったです。
私を助けてくれたのに…。
…この周辺に、他に薬草がないか確かめてみます。
もしかしたら…、生えているかもしれません」
ラーナが言って、そばにあった木に近付き、
登り始めた。
僕はそれを見て、慌てて、その木の近くに駆け寄る。
「ラーナさん!
気にしなくても良いよ。
危ないよ、木に登ったら」
僕の言葉に、ラーナが動きを止めて、こちらを見下ろし、
「大丈夫です。
木には、遊びで、よく登っているんです。
ちょっと待っていて下さい」
言って、上へ上へと登った。