地面が…すぐ下にない。
宙に放り出された。
体が坂の下の方に落ちていくよ!
ビュゥゥゥ!
背中から地面に、ぶつかる!
ド。
うわぁ、
背中に衝撃が!
高い所から落ちたから、
大分、落下速度が速くなっていた。
僕の体は軽いから、大きな衝撃はなかったけど、
速いスピードで背中から衝突したから、怖かったよ。
よいしょ。
僕は体をひねり、仰向けになっていた体を起こした。
背中の方は良いが、
右の後ろ脚が、しびれているようだ。
アカテガニに強く叩かれた。
大丈夫だろうか。
僕は、
タッ。
軽く飛び跳ねた。
ちゃんと動かせる。
攻撃を食らった時、
アカテガニから離れる方向に跳んでいたため、
ダメージが軽減されたようだ。
良かったよ。
ダ、ダ、ダ。
アカテガニの歩く音。
僕は音がした方を見上げた。
アカテガニが坂をゆっくりと斜めに横歩きして、近付いてきている。
大変なことになってしまった…よ。
堤防の下の方に落ちてしまったのだ。
アカテガニの、あの熟練された横歩きを避けながら、
のぼらないといけなくなった。
堤防から脱出するのが、かなり困難だよ。