目が覚めた。
周りを見回すと、明るくなってきている。
地平線から日が昇り、夜が明けてきている。
もう朝、
起きる時間だ。
僕は、しがみついていた草から跳んで離れ、
地面に降りた。
そして、
タッ。
その場で、真上に跳び上がった。
10cm程上がって、地面に戻る。
よ…し。
良い感じだ。
昨日の疲れは、ほとんどない。
前脚のヒリヒリも大分解消された。
ほんの少しヒリヒリするだけだ。
昨日、食べた草が効いてくれたのだ。
これならば薬草を食べなくても、大丈夫に思える。
今日、
ラーナとシイに薬草のある場所まで案内してもらう約束をしていたが…、
どうしよう。
遠慮した方が良いだろうか。
薬草は、僕のいた草地にも生えていたが…、
かなりケガに効く草なのだ。
そのため草地のみんなは、貴重だと言って、遠慮して食べていた。
1度だけ、食べたことがあるが、
その時、僕は薬草の力を実感した。
擦りむいて痛かった脚が、次の日には、ほとんど痛くなくなっていたのだ。
かなりありがたい草と言える。
このハラヒシバッタの村でも、ありがたい草として重宝されているだろう。
それを考えると、安易に食べるのは気が引けるよ。
でも…、
せっかく申し出てくれたのだ。
僕の脚のケガを心配し、真摯に申し出てくれた感じだった。
断るのも良くないかもしれない。
とりあえず一緒に行って、
薬草の茂り具合を見て判断しよう。
たくさん茂っていたら、食べさせてもらおう。
少し生えているだけだったら、
ちょっとかじるぐらいにしよう。