ブクッ!
アカテガニが泡を拡散させた。
うわぁ!
僕の方に凄い勢いで、たくさんの泡が飛んでくるよ!
ビシャァ!
わぁぁぁ、
顔にすさまじく直撃した!
体が、その勢いに押されて、
ぐるぐると回りながら、どこかに進んでいくよ。
どこに進んでいるのか分からない。
目に泡がたくさんついて、周りがよく見えないのだ。
止まれ、体よ。
タタ、タ。
よし、止まることが出来た。
でも、目はまだよく見えないままだ。
自分がどこを向いているのか分からない。
まさか、アカテガニが泡を放つなんて…。
本当に能力の高いアカテガニだよ。
ダ、ダ、ダ。
アカテガニが背後から僕に近付いてきている…。
このままでは、いけない。
跳んで離れないと。
でも周りが見えないのだ。
跳んでも大丈夫だろうか。
どこかにぶつかったり、着地に失敗して転んだり、しないだろうか。
ダ、ダ、ダ。
そんなことを心配している場合ではない。
勇気を持って、跳ぶよ!
僕は後ろ脚を、
ダッ!
伸ばして跳んだ。
ビュゥ!
僕はどこに行くのだ。
壁だろうか。
ぶつかってダメージを食らわないよう、前脚で顔をガードしておこう。
足元の悪い地面だろうか。
着地に失敗して転ばないよう、中脚を横にしっかりと構えておくぞ。
もうそろそろ、着地だ。
ビュゥ!
いや、
まだ着地しない…。
自分が想定していたよりも、
深く落ちていく!
トッ!
僕の体が今、地面に着地した。
ぶつかったり、転んだり、しなくて良かったが…、
一体どこに着地したのだ。
少し低い場所に降りたようだが…。