どうすれば良いだろうか。
全力で坂を上がって、脱出を試みるか。
…駄目だ、
きつそうだよ。
傾いた坂では、うまく跳ぶことが出来ないのだ。
上に向かって跳んでも、少ししか進めないだろう。
最悪、失敗し、逆に後ろへと戻ってしまう可能性も否定出来ない。
それを考えると、跳ねずに這って進むしかないが、
あの素早い横歩きだ。
簡単に追いつかれそうだ。
坂は使わず、階段で脱出しよう。
段差は結構あるが、ジャンプで上がっていけれそうだ。
段数があり、きつそうだが、なんとか上まで行けそうに思える。
階段は、すぐ手前にある。
ここから少し行った、
堤防の端の方にもあるようだ。
この手前の階段をのぼって、上に行くか…。
だが、近くにアカテガニがいる。
阻まれる感じがしてくるが…。
…うまくいけば、脱出出来る可能性もある。
挑んでみる…か。
タッ。
僕は飛び跳ねて、階段の上にのった。
ダダダ。
すぐさまアカテガニも階段の上へと移動する。
数段上で待ち構えられた。
やはり阻もうとしてくるか。
危険が大きいが…、
通り抜けたい。
無理矢理かわして進めないだろうか。
強く跳び、アカテガニから離れた位置に着地出来れば、
攻撃を食らう前に上の段に行けるかもしれない。
やって…みるか。
僕は意を決し、階段を上がろうとした。
その時だ。
アカテガニが左右のハサミを振り上げて叫んだ。
「さあ、来い、
ショウリョウバッタ!」