ダ、ダ、ダ。
アカテガニが前歩きで、こちらとの距離をつめてくる。
出来るだろうか。
攻撃を成功させることが。
失敗したら、強烈なハサミ攻撃を食らってしまう…よ。
だが…、
逃げても、うまく切り抜けられるか分からないのだ。
ここは…攻撃に打って出るよ!
成功させて、アカテガニの動きを止め、堤防脱出への道を開く!
タ、タ、タ。
僕はアカテガニに向かって、歩き出した。
「来るのか、ショウリョウバッタ!
俺のハサミの餌食にしてくれるわ!」
アカテガニが動き出した僕を見て叫び、前歩きを少し加速させた。
「うおお!
行くぞ、アカテガニ!」
僕も叫び、アカテガニへの歩を少し加速させた。
ダダダ。
タタタ。
ダダダ。
タタタ。
互いの距離が10cmにまで縮まった。
ジャンプするのは、今だ!
タッ!
僕はアカテガニに向かって跳んだ。