林の前に到着した。
草木が密集して生えている。
陽の光が木の葉にさえぎられて、少し薄暗い。
なんか不気味な感じだよ。
でも、ここを通って行くしかないのだ。
堤防に沿って続いていた道路は、右に大きくそれている。
使ったら、どこに行くのか分からない。
頑張って、この林を踏破するぞ。
タッ!
僕は堤防から跳んで、林の中へと入った。
急降下して、
ザザッ!
大きな音をたて、茂みに着地する。
いけない…、少し派手に下り過ぎた…よ。
どんな危険な生き物がいるのか分からないのだ。
音を聞きつけ、こちらにやって来たら、どうしよう。
僕は触角を研ぎ澄まして、周囲を見回した。
…何も、来ない。
良かった。
近くには何もいなかったようだ。
危険な生き物には遭遇しないようにしたい。
慎重に進んでいこう。
僕は林の奥をじっと見つめた後、
ゆっくりと歩き出した。