ガサ。
ラーナが草を揺らし、数十cm先の茂みの中に着地した。
後ろを振り向き、僕達が跳んでくるのを待つ。
シイが前に少し歩いてから僕に顔を向け、
「セイさん、行きます。
気を付けて飛び跳ねて行きましょう」
言って顔を前に戻し、
タッ。
村の外に向かって跳んだ。
ガサ。
草を揺らし、ラーナの近くに着地した。
2匹とも村の外に出た…よ。
僕も早く行かないと。
村の外なので、危険生物に遭遇しないか不安だけど…、
勇気を出して、行く。
触角を研ぎ澄まして、注意して跳んで進み、
無事、薬草を食べて、この場所に戻ってくるぞ!
僕は村の外の茂みに視線を移し、
タッ。
跳んだ。
村と外との境界を跳び越え、
ガサ。
ラーナとシイの後ろに着地した。
着地した僕を見て、ラーナがうなずき、
僕とシイの顔を見る。
「どんどんと飛び跳ねて行きます。
離れず、ついてきて下さい」
ラーナが体を薬草のある林の奥に向け、
タッ。
跳んだ。
ラーナを追って、
タッ。
シイも跳ぶ。
跳んだ2匹を見て、僕も慌てて、
タッ。
跳んだ。
タッ、タッ、タッ。
ラーナが林の奥に向かって、どんどんと跳んでいく。
速いジャンプスピードだ。
遅れないよう、急いで跳んでいくぞ。
タッ、タッ、タッ。
僕は前を跳ぶ2匹の後を追って、跳び続けた。
林の中を、3匹の飛び跳ねる音が響く。
タッ、タッ、タッ。
タッ、タッ、タッ。
タッ、タッ、タッ。
大分…、跳んだよ。
5mぐらいは、進んだだろうか。
後、5m、頑張って跳ぶぞ。
僕がそう思った時、
ピィィィン。
触角が、進む先に何かがいるのを感じ取った。