ビュゥゥゥ!
僕の体の落下速度が速まっていく。
凄い速度だ。
狙い通りに攻撃を当てるのは…難しいよ。
でも、当てないと。
ハサミ攻撃をさせないために。
ビュゥゥゥ!
僕の体が、さらに速度を速め、落下を続ける。
アカテガニまでは後少し―
「残念だったな、ショウリョウバッタ。
俺の刃に貫かれるが良い!」
アカテガニがそう言い、左右のハサミを僕に向かって構えた。
「させないよ、アカテガニ!
うおお!」
僕は叫ぶ。
ビュゥゥゥ!
体がさらに落下する。
アカテガニの、
すぐ真上に到達―
今だぁぁぁ!
僕は後ろ脚をアカテガニのハサミの関節部分を狙って、
シュ!
急速に伸ばした。
後ろ脚は、
アカテガニのハサミの関節部分に、
狙いたがわず正確に伸びていき、
ドォン!
直撃した。