声が聞こえた…よ。
助けを求めているようだった。
聞こえたのは…、
あっちの方角だ。
僕は体を左の方に向けた。
川岸のある方からのようだ。
ここからそう遠くはない。
誰が助けを求めたのだろうか。
何があったというのだ。
気になる。
行ってみるか。
僕は声が聞こえた方へ歩き出した。
助けを求めたということは…、
何者かに襲撃を受けているのだろうか。
何か強力な危険生物に。
そうだったらヤバいよ。
行っても僕に出来ることはあるのだろうか。
いや、でもアカテガニに蹴りを食らわせることが出来たのだ。
うまく攻撃を放てれば…。
…もう少しで声が聞こえた場所だ。
あの茂みの先か。
僕は、
ガサ。
その茂みの中に入り、先がどうなっているのか様子をうかがった。
誰かが…いる。
ハラヒシバッタ…だ。