横へ横へと草を食べる。
端から端までを食べ終わり、
草の残った下部分が地面へと落ちる。
よ…し!
1枚目の葉を突破したぞ!
ショウリョウバッタは草食だ。
普段からよく草を食べている。
草を食べるためにあごが発達しており、かみ切ることは余裕なのだ。
「ああ…!
ショウリョウバッタさん…」
横で見ていたハラヒシバッタの女の子が、期待の声をあげる。
「この調子で、草を食べ続けます。
なんとか、閉じ込められた君の友達がいる地点までの道を作る」
僕は言い、奥にある2枚目の葉に顔を近付け、
ガジガジ、ムシャムシャ。
食べ始めた。
端から端までをかじり、残った部分が地面に落ちる。
2枚目も…突破したぞ。
引き続き、3枚目だ。
しかし…、今度はうまくいくだろうか。
たくさん草を食べ、お腹がいっぱいになってきたのだ。
きつくなってきている…よ。
くっ。
いけないよ。
無理矢理でも突破しないと。
閉じ込められたハラヒシバッタの女の子がいるのだ。
その子は不安な気持ちで草の下にいる。
早く助けてあげないと。
頑張って草を食べ、3枚目も突破してやるぞ。
僕は草に顔を近付け、
ガジ…、ムシャ。
食べ始めた。
必死で食べ続け、
数分後に、終わりが見え始める。
後少し…。
ガジ…。
3枚目が…、
地面に落ちた。
よし、突破…した。
奥に…、
ハラヒシバッタの女の子が見える…。
救出が成功したよ。