ラーナが…薬草付近に到着した。
クロヤマアリとの遭遇で、一時はどうなるかと思ったけど、
無事、薬草のすぐそばまで来られたよ!
一体、どんな薬草が生えているのだ。
僕は見たい気持ちを抑えられず、
タッ!
ラーナのいる場所に向かって強く飛び跳ねた。
タッ、タッ!
行く手をさえぎっていた草を跳び越えていき、
ガサ!
ラーナとシイの後ろに着地した。
2匹を見下ろすと、
瞳を輝かせて前方を見つめていた。
その視線の先に…薬草があるのだ。
ついに僕は…薬草の前に辿り着いたのだ。
僕はゆっくりと顔を上げ、前を見た。
「や…薬草だ…よ」
僕は目の前に生える草を見て、感激の声をもらした。
あの草は紛れもなく薬草…。
見覚えがある。
故郷の草地で食べたことがある薬草―
よもぎだ。
シイが辺りを見回す。
「この一帯にたくさん茂っています。
どれも…葉が豊富です」
ラーナがこちらを振り返った。
「これなら光合成への影響を気にする必要はありません。
薬草の生育をそれほど妨げずに食べられそうです。
行きましょう、薬草へ」
僕とシイがうなずいた。
ラーナが薬草に体を向け、歩き出す。
彼女の後に続いて、僕とシイも薬草へと向かった。