僕の言葉に2匹がうなずいた。
「そうですね。
数分後に出発しましょう」
「それまでにちゃんと跳べるようにしておきます」
シイとラーナが言って、その場で姿勢を低くして体を休めた。
2匹が出発する準備を整えてくれている。
僕も村まで素早く飛び跳ねていけるよう、しっかりと体を休めておくぞ。
僕は茎に抱きついて体を休め始めた。
………ふぅ。
こうやって休んでいると…、
先程食べた薬草の味と香りが思い出される。
本当に味わい深かった。
まだ夢心地だよ。
ずっと余韻にひたっていたい…。
「休んでいる数分の間に、何者の襲撃もなければいいが…」
僕はつぶやいた。
シイが僕の声に反応して、こちらに顔を向ける。
「そう…ですね。
今のところ、周囲に気配はないようですが…」
触角を立て辺りを見回し言った。
僕も触角を澄まし、周囲を確認する。
「僕も気配を感じない…。
僕達が乗った薬草に接近する存在は、
この周囲には、たぶん…いないと思うけど…」
シイがほっとした表情を見せた。
「セイさんが言うのなら、しばらく安心ですね。
良い触角を持っているようですので。
ここに来る時にセイさんは、
クロヤマアリさんが前方にいることにいち早く気付き、
私達に教えてくれました」
シイが言ったのを聞いて、ラーナが顔をこちらに向ける。
「そういえばそうです。
私よりもずっと後ろにいたのに…。
セイさん、かなり触角が良いようですね」
僕は照れて頭をかき、
「いや…、そんな…。
たまたま気付くことが出来た感じだよ」
2匹に言った。