タッ、タッ、タッ。
僕とシイとラーナが固まって離れずペースを合わせて飛び跳ね、
村に向かって進んでいく。
村までは10mほど。
それ程遠くは離れていない。
数分で辿り着ける距離だ。
しかし、行きの時はクロヤマアリに遭遇してしまった。
危険な種族と遭遇する恐れが十分にあると考え、
しっかり触角を研ぎ澄まして飛び跳ねて行くぞ。
タッ、タッ、タッ。
タッ、タッ、タッ。
タッ、タッ、タッ。
3mほど…進んだ。
近くには依然、何かが迫っているような気配は感じられない。
このまま危険と遭遇せず村まで辿り着けたら良いが。
タッ、タッ、タッ。
タッ、タッ、タッ。
タッ、タッ、タッ。
…よし、中間地点辺りまで到達した。
もしかしたら何事もなく村に辿り着けるかもしれないよ。
僕が思った、その時、
「に、2匹とも!
ここから左前方の少し離れたところに生えている草が、
不自然に揺れた感じがしました!」
僕の左を跳んでいたシイが言って、立ち止まった。