ハラヒシバッタの村に…到着した。
3匹、無事に帰還することが出来たよ!
僕は後ろを振り向き、
「やったよ、2匹とも!」
シイとラーナに言った。
シイが嬉しそうな表情でうなずいた。
「はい!
薬草を食べて帰ってくることが出来て良かったです!」
ラーナがほっとした表情を浮かべ、その場にへなへなと座り込んだ。
「村に戻れて…本当に良かったです…。
薬草まで大した距離はなく、
行って帰るのは大変ではないと思っていたのに…、
実際はそうではありませんでした。
行きの時は、私がクロヤマアリさんの背中を踏んでしまって、
セイさんを危険な目に遭わせてしまいました。
帰りは、シイが気付いてくれなかったら、危険に遭遇していたかもしれません。
薬草を食べに行こうと2匹に言ったのは、本当に浅はかでした。
申し訳ありません…、2匹とも」
僕とシイが首を横に振った。
「ラーナが言ってくれたお陰でおいしい薬草を食べることが出来たのだ」
「そうよ、ラーナ。
危険はあったけど、良い旅だった。
では、2匹とも。
村の中心に行って休みましょう」
僕とラーナがうなずいた。
それを見て、
タッ。
シイが村の奥に向かって飛び跳ねた。
彼女の後を追って、
タッ。
タッ。
僕とラーナも跳んだ。