「おお、そうか、おいしい薬草を。
ラーナとシイ、よくぞセイ君を案内してくれたよ。
どんな薬草が生えていたのかな?
この村に生えているものと同じ種類の薬草だろうか?」
ゲンが首をかしげて僕達に聞いた。
ラーナがうなずく。
「はい、よもぎでした。
しっかり育っていて、栄養豊富な感じでした」
ラーナの言葉にシイが首を縦に振る。
「葉の状態が良くて、味と香りが上質でした。
ここまでしっかりと育った薬草を口に出来る機会は滅多にないかもしれないと思いました」
僕も首を縦に振る。
「大分、自然治癒力が高まって、
前脚のケガも今ではほとんど気にならなくなった感じがします」
ゲンがうらやましそうな表情になって僕達の顔を見た。
「良いな、自分も食べたかったよ。
この村の薬草は葉がなくて当面食べられないし…。
早く生えるよう、村のみんなで大切にしなければいけない状態だからね」
言って、右に顔を向け、村の端に生えている薬草を見つめた。