「行きと帰りの時に危険が…?
道中、何があったのかな?」
ゲンがラーナに聞いた。
「行きの時はクロヤマアリさんに襲われました。
私が通りがかりのクロヤマアリさんの背中を踏んでしまって…」
「ええっ…。
なんと大変なことを…。
荒くれ者のクロヤマアリさんの背中を踏むなんて。
とがったアゴできつくかまれてしまうよ!
だ…大丈夫だったのかい?」
「攻撃されそうになった私をセイさんがかばって闘ってくれました」
「おお…!
セイ君が!
感謝するよ、セイ君。
ラーナをクロヤマアリさんからかばってくれて」
「セイさんが闘い、クロヤマアリさんをしりぞけてくれたお陰で、
3匹無事に薬草の生えているところに辿り着くことが出来ました」
「クロヤマアリさんは強靭な脚とアゴを持っている戦闘の得意な種族。
そんな相手に立ち向かい、しりぞけることが出来るなんて…。
セイ君、
君はなんて勇気と力のあるショウリョウバッタなんだ」
「いえ、そんな…」
僕は照れて頭をかいた。