十数秒ほど飛び跳ね、村の中央付近に辿り着いたところで、
シイが止まって振り返った。
「この辺りで休むのが良さそうです。
柔らかなコケがたくさん茂っています」
言って、コケの上で体を休めた。
うなずいて、僕とラーナもコケがたくさん生えているところまで歩いて移動し、
座った。
ふぅ…。
ふわふわなコケだよ。
ゆったりと体を休ませることが出来そうだ。
午前中はたくさん飛び跳ねた。
大分、後ろ脚が疲れている。
しっかりとゆったりくつろぐぞ。
僕はコケに体を深くうずめた。
しばらくそうしていると、
タッ、タッ、タッ。
僕達のいる辺りに、誰かが飛び跳ねて近付いてきた。
ガサ。
草を揺らし、3匹の横に着地する。
顔を向けると、そこにいたのは―
村長のゲンだ。
「おや、3匹とも随分と疲れているようだね。
そんなにぐったりとしてしまって。
どうかしたのかい?
そういえば今朝方に会って以降、君達のことを見かけなかった。
村に生えている木の上に登って、遊んでいたのかな?」
ゲンが首を傾げ、僕達に聞いた。