「セイさんの触角の良さにも大分、助けられました。
行きの時はクロヤマアリさんの存在に事前に気付いて、
注意喚起をしてくれました。
残念ながら私はその時、彼の数m先を飛び跳ねていたため、
すぐに気付けず、クロヤマアリさんとの接触を避けることは後少しのところで出来なかったのですが…。
薬草の所ではセイさんが周囲を確認してくれて、
落ち着いて体を休めることが出来ました。
帰りの時はシイと一緒に進路上に何かがいるのを確認してくれました。
そのおかげで飛び跳ねる方向を修正することができ、
危険と遭遇せずに村まで戻れました」
ラーナがゲンに言った。
シイがうなずく。
「セイさんは本当に良い触角をしています。
数m先の姿の見えない相手を感知することが出来たのですから。
ラーナと私がケガをせず、村に戻って来られたのは彼のおかげです」
「おお…。
セイ君はそれほどまでに触角が…。
本当に感謝するよ、セイ君。
2匹を無事に村まで送り届けてくれて」
「い、いえ、
僕の触角が役に立って良かったです。
僕の方こそ、2匹には感謝してます。
彼女たちのおかげで、おいしい薬草を食べることが出来ました」