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ライトノベル、書く。
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「そ…そうですよね。


河口に流れ着いて堤防の上から故郷の草地を確認した時には、


あまりに遠いと感じ、その場で途方に暮れました。


無事、辿り着けるか分からないので、


そう言ってもらえると嬉しいです。


この村にはおいしい食べ物も多いですし、


ちょうど今さっき滞在出来たら良いと考えていたところでした」


バレックが草の上から跳んで、僕の数㎝前に着地した。


「歓迎するよ、セイ君。


君がこの村にいると心強い。


少し前に村長が村民に話しているのを触角で聞いたんだが、


君は強いアゴだけでなく、良い触角と戦闘能力も持っているようだね。


村にいてくれたら、随分と安心して生活が出来るようになって大助かりだよ。


もちろん無理にとは言わないけどね。


故郷の仲間達に出会えなくなるのはつらいことだろうから」


僕の頭に故郷の2匹のバッタの顔が浮かんだ。





ショウリョウバッタのレイちゃんとイナゴのイナコちゃんの顔だ。


2匹とは翌日に跳ねあって遊ぶ約束をしていた―


「セイ君は今、選択の難しい岐路に立たされている。


この村を出発せずにとどまったら安全だけど、


故郷の仲間達には出会えなくなってしまう。


この村を出発したら、うまく行けば故郷に戻れるかもしれないけど、


距離があるため途中で朽ち果てる恐れが随分とある。


俺としては村の見回りを手伝ってほしいから、


この村にとどまってほしいところだけどね。


い…いかん、


そういえば見回りの途中だったんだ。


もう行かないと。


じゃあね、セイ君。


焦らずにじっくりと考えて決断してほしい」


バレックは言って飛び跳ね、


草むらの向こうに姿を消した。





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イラストのサイズを、ブログ全体で、150x150から200x200に変更。
見づらさを感じてしまった。
(2012/10/16)
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